名探偵コナン★第307話 残された声なき証言(前編):2003年1月27日
あらすじ
ある日、ゲーム開発の社員である内藤定平さん、須貝克路さん、相馬竜介さんが毛利探偵事務所を訪れ、1週間前から行方不明のシステムエンジニア・板倉卓さんの捜索を依頼します。コナンは依頼内容から、黒ずくめの組織であるテキーラの影があるのではないかと推測し、板倉さんが潜伏していると思われるホテルニュー米花の2004号室にたどり着きます。しかし、部屋に入ると板倉さんは机に突っ伏して死亡していました。検視の結果、心臓発作による自然死とされていますが、コナンは毛布やガムテープの不自然な痕跡を見て他殺の可能性を疑います。依頼人たちの証言には微妙な食い違いがあり、特に相馬さんの「テキーラを見た」という証言は黒の組織との関連を示唆しています。前編は密室の謎と依頼者たちの隠された動機を浮き彫りにし、物語は幕を閉じます。
みどころ
本話の最大の魅力は、板倉さんの死亡が自然死に見えるように仕掛けられた“ミスリード演出”です。ホテル室内が暗転した直後、散乱する錠剤と無表情の死体の描写が、ホラー的な緊張感を生み出します。また、ガムテープや毛布の痕跡が後編への伏線として機能しています。少年探偵団とコナンが現場を調査する対比カットや、毛利小五郎さんの居眠り探偵ぶりがコミカルな要素となっており、視聴者の好奇心を引き立てています。依頼人たちの微妙に食い違う証言は、視聴者に「誰が犯人なのか?」と考えさせる巧妙な仕掛けとなっています。
ゲストの声優(生年月日)
– 板倉卓さん:大友龍三郎さん – 5月18日生まれ
– 内藤定平さん:大矢兼臣さん – 6月23日生まれ
– 須貝克路さん:松本保典さん – 2月7日生まれ
– 相馬竜介さん:阪脩さん – 11月7日生まれ
スタッフ注目ポイント(約400文字)
本話の構成と絵コンテを担当した三家本泰美さんは、依頼者の微妙な証言のズレを前編の核心とし、視聴者に早い段階で違和感を感じさせる構成を実現しています。また、演出を担当した鈴木吉男さんは、防犯カメラが“見ていない”間の緊張感をスローモーション+無音カットで表現し、密室トリックの不気味さを強調しています。作画監督の志村泉さんは、ホテル室内の細部—毛布のシワやガムテープの跡、床のホコリ—を丁寧に描き込み、後編での証拠回収をより鮮やかにサポートしています。
まとめ
証言の食い違いと“声なき証拠”が交錯する前編。板倉さんの他殺トリックを示す微細な痕跡が散りばめられ、黒の組織の影もちらつきます。後編では、依頼人の真の目的と犯行手口が明らかになるため、第308話を見逃さないでください。
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