名探偵コナン★第309話 黒の組織との接触(交渉編):2003年2月10日
2003年2月10日に放送された第309話では、板倉卓の日記に記された“黒の組織”との関連を探る中で、コナンは阿笠邸にてMOディスクの解析を行います。しかし、組織側も動き出し、赤井秀一が蘭の前に現れます。交渉が始まるや否や、黒ずくめの影が再び動き出すのです。
あらすじ
前回の板倉卓殺人事件に関する捜査資料として、卓の日記が記録されたMOディスクの解析を急ぐコナンは、阿笠博士のもとでその再生を開始します。日記には、黒の組織“テキーラ”と称する者との接触記録が存在していました。その矢先、蘭は街角で謎の男、赤井秀一と出会います。赤井は「君はいつも泣いている」と問いかけ、二人の間には緊張感漂うやり取りが展開されます。一方で、コナンはMOに隠された暗号らしき数字列と、卓が開発中だったセキュリティプログラムとの関連性を推理します。交渉“編”と題されたこの話は、シリーズ屈指のスパイ戦を予感させる展開で締めくくられます。
みどころ
この話の最大の魅力は、阿笠邸でのMOディスク解析のシーンと、雪の夜に蘭と赤井が交わす瞬間の心理戦です。MOディスクのデータ読み込みの映像は、画面分割と電子音の効果音により“秘密情報”の重みが伝わります。続いての蘭と赤井のシーンでは、カメラが二人にクローズアップし、緊張感が増します。特に赤井の低い声と蘭の驚きの表情が交互に映し出されることで、視聴者に“彼の正体は何か”という疑問を強く印象付けます。また、コナンがMOの暗号解析に使用するパソコン画面の細部まで再現された作画もファンにはたまらない要素となっています。
ゲストの声優
赤井秀一を演じる池田秀一さんは1949年3月2日生まれです。ウォッカ役の立木文彦さんは1954年8月29日生まれで、また板倉卓の声を担当した大友龍三郎さんは5月18日生まれです。
スタッフ注目ポイント
脚本を担当した市丸知佳さんは、MOディスクという“デジタル証拠”と雪景色のアナログな描写を対比させ、シリーズ初の“交渉”というテーマに沿った緊張感を生み出しました。演出を手掛けた松浦錠平さんは、蘭と赤井の心理戦シーンにおいて背景をモノトーン化し、二人の表情を際立たせる方法を採用しています。作画監督の川島明子さんは、赤井のコートのしわや阿笠邸の機材の細部を丁寧に描き込み、情報解析のリアリティを強化しています。音楽を担当した大野克夫さんの不協和音のストリングスが、交渉の不安定さを巧みに引き立てています。
まとめ
黒の組織“テキーラ”との初の交渉を描いたスパイ色の強い前編です。MOに刻まれた暗号と赤井秀一の登場が、物語を次の章へと導きます。後編では、組織側の真意と卓の暗号解読が決着を迎えることとなり、目が離せません。
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