名探偵コナン★第312話 夕日に染まった雛人形(前編):2003年3月3日
2003年3月3日に放送された第312話「夕日に染まった雛人形(前編)」では、雛祭りが近づく中、歩美が巨大な七段飾りの雛人形を得るための条件、つまり“何も見ずに並べる”ことに挑む様子が描かれます。しかし、買い物中に和室に飾られていた高額な掛け軸「雷神」が盗まれてしまいます。警察はベランダからの侵入を疑いますが、コナンはファックスの送信時刻の不一致に気づき、密室トリックの解明に向けて動き出します。
あらすじ
ある日、雛祭りを目前に控えた歩美は、知人から七段飾りの雛人形を譲り受けることになりました。ただし、条件は“何も見ずに並べる”ことです。歩美はコナンたち少年探偵団を観野宅に招待し、部屋一杯の木箱から雛人形を見事に並べ終えたところで、買い物に出かけます。しかし、その間に和室にあった江戸時代の絵師、鉄山の「雷神」の掛け軸が突然消失してしまいます。刑事の百瀬は、ベランダからの侵入を疑い、関係者を事情聴取しますが、全員にアリバイと動機があり、捜査は難航します。コナンは現場に残されたファックスの送信時刻と、雛壇の人形配置が写ったデジカメ写真の時間表示の微妙なズレに注目し、犯人の侵入ルートとトリックを推理し始めます。
みどころ
本エピソードの最大の魅力は、無人の和室で発生した高額掛け軸の盗難という密室トリックです。ファックスの送信時刻が“外出中”を装うことで、警察がベランダからの侵入の可能性に惑わされる描写が非常に巧妙です。特に、コナンがデジカメのEXIF時間と現場の時計の不一致に気づくシーンは、視聴者に強い印象を与える証拠発見の瞬間として際立っています。さらに、少年探偵団が酒かすを買いに行くコミカルな場面と、盗難が発覚した後の緊迫した空気との対比が物語に緩急をもたらしています。部屋の細部に注目すると、後編での解明がより楽しめます。
ゲストの声優
観野節子役を演じた萩森侚子さん(1964年10月20日生まれ)、観野弥生役の大木民夫さん(生年月日非公表)、津曲水貴役の水鳥鉄夫さん(生年月日非公表)、三重芳春役の三重芳春さん(生年月日非公表)、百瀬刑事役の塩屋浩三さん(1944年1月14日生まれ)といった豪華な声優陣が出演しています。
スタッフ注目ポイント
本話の構成と絵コンテを担当した三家本泰美さんは、雛人形と掛け軸の対比を通じて“伝統美”と“金銭欲”のコントラストを表現しています。演出を手掛けた鈴木吉男さんは、雛壇完成シーンでのライティング演出により、盗難が発覚した後のシーンとの温度差を際立たせました。作画監督の志村泉さんは、掛け軸の細かな柄描写や雛人形の衣装のテクスチャに丁寧に取り組み、視覚的に後編でのトリック解明を支援しています。また、デジタル機器のUIをリアルに再現した点にも注目です。
まとめ
“何も見ずに並べる”という無邪気な遊びが、高額掛け軸盗難という重大な事件を引き起こす前編です。ファックスの時刻偽装や雛壇写真の時間ズレといった微細な伏線が散りばめられ、後編でのトリック解明が待ち遠しい展開になっています。次回、コナンが密室の謎をどのように解決するのか、見逃せない展開となるでしょう!
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