名探偵コナン★第313話 夕日に染まった雛人形(後編):2003年3月10日

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名探偵コナン★第313話 夕日に染まった雛人形(後編):2003年3月10日

あらすじ

少年探偵団が観野家で七段飾りの雛人形を並べ終えた後、外出中に床の間の掛け軸「雷神」が盗まれる事件が発生しました。百瀬刑事はベランダからの侵入を疑いますが、コナンは歩美の「階段…」という言葉を思い出し、屋根裏からの侵入を直感しました。現場を再度調査すると、雛壇の男雛と女雛が逆に配置されている写真を発見します。これは犯人が盗んだ掛け軸を隠すために、雛壇の奥に犯行道具を一時的に置くスペースを作っていた証拠でした。コナンは階段下の点検口を開け、そこに隠されていた掛け軸と工具を見つけ出します。窓やベランダを使わない屋根裏経由の密室トリックを暴き、泥棒が観野家の近所に住む鑑定士・三重芳春であることを突き止めます。

みどころ

後編では、歩美の「階段」という言葉をきっかけにトリックが明らかになるシーンが特に注目です。歩美の呟きを振り返るカット割りにより、視聴者は同じ違和感を感じさせられます。また、屋根裏への点検口が開かれる瞬間にはBGMが停止し、スローモーションが使用され、緊張感を高めます。雛壇の逆配置という細かな証拠をコナンが雛人形の屏風影と写真のEXIF時間を照らし合わせて解明する論理的な場面は、シリーズでも特に注目される“細部推理”です。犯人逮捕後の三重とコナンのやりとりにも微妙な余韻が漂い、深い味わいを感じられます。

ゲストの声優

観野節子を演じるのは萩森侚子さん(1964年10月20日生まれ)、津曲水貴役は水鳥鉄夫さん(生年月日非公表)、三重芳春役は三重芳春さん(生年月日非公表)、百瀬刑事を担当するのは塩屋浩三さん(1944年1月14日生まれ)です。

スタッフ注目ポイント

脚本を担当した三家本泰美さんは、前編での“左右逆配置”と“ファックス時刻”という伏線を後編で見事に回収し、屋根裏トリックへの論理的な道筋を描きました。演出の鈴木吉男さんは、階段下の点検口発見シーンでカメラを低い位置に配置し、雛人形の影を効果的に映し出すことで不気味な雰囲気を醸し出しました。作画監督の志村泉さんは、屋根裏の木目や雛人形の衣装、掛け軸の裂け目まで緻密に描写し、証拠品のリアリティを強化しています。音楽監督の大野克夫さんによる和楽器テイストの劇伴は、伝統行事の温かさと犯罪の冷酷さを際立たせる効果を生んでいます。

まとめ

無人の屋根裏を経由する密室トリックを、雛壇の細かな配置ミスと“階段”というキーワードで見事に暴いた名推理回です。伝統美と緻密な証拠描写が見事に融合した後編は、細部への注目が何よりの魅力となっています。次回もコナンの鋭い観察眼を見逃さないようにしてください。

 

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