名探偵コナン★第322話 消えた誘拐逃走車(後編):2003年6月2日

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名探偵コナン★第322話 消えた誘拐逃走車(後編):2003年6月2日

2003年6月2日に放送された第322話「消えた誘拐逃走車(後編)」では、廃ビルから脱出した工藤新一が、行方不明の逃走車と誘拐犯の遺体に隠された真実に迫ります。消失したトンネルのタイヤ跡や駐車場の軽四輪、そしてその背後に潜む共犯者の存在。警察のヘリによる追跡をかわす巧妙なトリックが、今まさに解き明かされるのです。

あらすじ

物語の前編において、工藤新一は廃ビルを無事に脱出し、宮野志保と共に病院へと戻ります。しかし、逃走車は高速トンネルで突然姿を消してしまいました。後編の冒頭では、警察がトンネルの出口や周囲の道路を徹底的に捜索しますが、車両に関する痕跡は一切見つかりません。やがて、近隣の立体駐車場で軽四輪の遺体が発見されることになりますが、その運転手である吉沢正ではなく、共犯者である不動産屋の吉岡が絞殺されていたのです。工藤新一は駐車スペースのタイヤ跡の向きと、トンネル内に残されたわずかなオイル滴から、逃走車は二台の偽装車両を使って交替していたと推理します。吉岡は入れ替えに気づき裏切られ、駐車場で命を奪われたのです。

みどころ

本エピソードの最大の見どころは、トンネル内で行われる“二台入れ替えトリック”の解明シーンです。工藤新一がタイヤ跡の重なりを路面のひび割れと照らし合わせ、オイル滴の流れを顕微鏡で拡大して示す演出は、科学捜査の真髄ともいえるものです。また、駐車場で遺体が発見される瞬間のカメラワークは、光と影の対比を用いることで一瞬の恐怖を際立たせています。さらに、佐藤刑事と高木刑事がヘリから双眼鏡を使って捜索する場面を交えることで、地上と空の両面からの戦術が無効化されていく緊迫感を見事に表現しています。

ゲストの声優

– 吉岡雅彦:戸谷公次 – 1936年6月24日生まれ
– 吉沢正:不明(鼻の横にほくろの男) – 声優情報は非公開
– 片岡純:松本梨香 – 1968年11月30日生まれ
– 北山吾郎:田原アルノ – 声優情報は非公開

スタッフ注目ポイント

作画監督の佐々木恵子は、トンネル内の照明の反射と駐車場の暗い部分を緻密に描き分け、タイヤ跡やオイル滴をリアルに表現しています。脚本を担当した大野武雄は、二台の逃走車が入れ替わるトリックを視聴者にわかりやすく示すために、工藤新一の回想と現場検証を交互に配置する巧妙な構成を採用しました。演出を手がけた戸澤稔は、ヘリによる追跡のカットをスピード感あふれるパンショットで描写し、緊迫感を一層増幅させています。絵コンテを担当した三家本泰美は、駐車場での死体発見シーンをスローモーションで演出し、一瞬の衝撃を最大限に強調しました。

まとめ

二台の逃走車が交替し、共犯者が裏切られる“消えた誘拐逃走車”トリックは、タイヤ跡とオイル滴という微細な証拠によって鮮やかに暴かれました。ヘリをかわす巧妙な手口と工藤新一の科学捜査に焦点を当てた名作回を、ぜひ再視聴してその細部にまで楽しんでください。

 

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