名探偵コナン★第326話 炎の中に赤い馬(捜査編):2003年6月30日
捜査の発端
都内で連続的に発生した放火事件が、捜査の幕開けとなりました。最初の現場は梨善町一丁目の住宅で、赤い馬を模した木製の人形が焼けた跡に残されていました。さらに同様の手口で、鳥矢町二丁目と奥穂町三丁目でも放火が確認されました。その後、探偵の楠川から依頼を受けたコナンと平次は、次のターゲットとして諸角邸が狙われていると考えます。しかし、放火から逃れたはずの主婦・諸角亮子が邸内で焼死体となって発見されました。亮子は家を出る直前に「何も見ていない」と証言していましたが、彼女の背後には赤い馬の人形が。隣家の子供の証言から放火の時刻が午後7時30分であることが特定され、亮子の死が巻き添えか狙われたものか、捜査の幕が上がります。
疑惑のアリバイ
現場に関わった三者は、それぞれ異なるアリバイを主張しています。風水アドバイザーである曾我操夫は、放火が起きた直後に隣家でセミナーを行っていたと証言しました。一方、亮子の妹である権藤系子は、近所での買い物中に現場を通りかかったと語ります。夫の諸角明は仕事で外出していたことをタイムカードで証明しました。しかし、コナンは曾我のセミナー写真の背景の影の位置が昼間と一致しないこと、系子の買い物袋の店名ロゴが誤っていること、明のタイムカードの時間が微妙に不正確であることに気付きます。彼らのアリバイは本当に完璧なのでしょうか? それぞれの証言と人形に隠された暗号を照らし合わせる捜査が始まります。
赤い馬の暗号
放火現場に必ず残される赤い馬は、単なる挑発ではなく、漢字の“兎”が人形の裏に刻まれていました。赤兎馬は三国志に登場する名将・呂布が乗っていた馬であり、「迅速に逃げる」という意味を持つとも解釈されます。コナンは放火現場の順序と地図上の兎の字の配置を重ね合わせ、次の放火予告地点が杯戸町四丁目だけでなく、亮子の寝室である東窓を狙った密室トリックであると推測します。赤い馬は「次は内側から煙を上げる」という犯人のメッセージだったのです。
平次の見立てと次回予告
平次は現場を周り、「燃え残り」「煙の流れ」「瓦礫の角度」を観察した結果、放火は室内に可燃物を集めて窓を割り、外部から点火した後、別の窓から火が内部に回る仕組みだと結論付けました。この手法により、外部アリバイを作りつつ、邸内にいた亮子を逃げ場のない場所に誘導するトリックが明らかになりました。後編では、コナンと平次が赤い馬の暗号をもとにアリバイの矛盾を突き、真犯人との対決へと突入します。次回「炎の中に赤い馬(解決編)」をお楽しみに。
まとめ
赤い馬人形に隠された“兎”の暗号と、三者の偽アリバイが絡み合う捜査編です。可燃物の配置と煙の流れを解明した平次の見立ては見逃せません。後編で明らかになる密室放火トリックの全容を、ぜひお見逃しなく!
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