スペースコブラ第8話:激闘!コブラ対ボーイ
寺沢武一原作のアニメ「スペースコブラ」における序盤のクライマックス、宿敵クリスタルボーイとの決着を描くのが第8話です。愛した女性ジェーンを失ったコブラの怒りが爆発し、サイコガンすら通用しない無敵のライブメタルを持つボーイに対し、知略と執念で挑む姿は圧巻です。出崎統監督によるスタイリッシュな演出と、大野雄二氏によるジャジーな劇伴が織りなす極上のハードボイルドSFアクションの金字塔を、放送当時のデータと共に振り返ります。

スペースコブラ第8話:激闘!コブラ対ボーイ
①あらすじは?
・第8話
・激闘!コブラ対ボーイ
・1982年11月25日放映
最愛の女性ジェーンをクリスタルボーイに殺されたコブラは、復讐を誓い単身ギルドの本拠地へと乗り込みます。ギルドの追撃を次々と退け、ついに宿敵ボーイと対峙しますが、特殊偏光ガラスの身体を持つボーイには自慢のサイコガンが一切通用しません。エネルギーを透過・屈折させてしまう無敵の肉体にコブラは追い詰められ、絶体絶命の窮地に立たされます。しかし、コブラは物理的な盲点を突いた驚愕の作戦でボーイを翻弄。刺青の三姉妹を巡る悲劇に決着をつけるため、コブラは持てる知力のすべてを賭けて最後の一撃を放ちます。
②みどころは?
このエピソードの最大のみどころは、力対力のぶつかり合いではなく、コブラがボーイの「無敵の身体」の弱点を見抜き、逆転へと導く知略のプロセスです。物理法則を逆手に取った戦術の妙は、まさにハードボイルド・ヒーローの真骨頂といえます。演出面では、出崎統監督による「ハーモニー処理(止め絵)」が多用され、激しいアクションのなかにある静寂と情感が見事に切り取られています。ボーイの身体の質感を表現する透過光の使い方も冴え渡り、キャラクターが放つ殺気と美しさが画面から溢れ出しています。復讐に燃えつつも、どこか哀愁を感じさせるコブラの背中から目が離せません。
③ゲスト声優は?
| 役名 | 声優氏名 | ふりがな | 生年月日 | 備考、没日など |
| クリスタルボーイ | 小林清志 | こばやしきよし | 1933年1月11日 | 2022年7月30日没 |
| ジェーン(回想) | 中村晃子 | なかむらあきこ | 1948年1月3日 | |
| ドミニク | 藤田淑子 | ふじたとしこ | 1950年4月5日 | 2018年12月28日没 |
| レディ | 榊原良子 | さかきばらよしこ | 1956年5月31日 |
④エピソードの詳細は?
第8話は「刺青の女編」の大きな区切りとなる回であり、コブラとボーイの因縁が一度の頂点を迎えます。物語中盤、コブラが峡谷を利用してギルドの親衛隊を生き埋めにするシーンは、彼の海賊としての非情さと戦術眼を際立たせています。ボーイとの最終決戦では、サイコガンが効かないことを逆手に取り、周囲の環境や意外な道具を武器として転用するコブラの機転が描かれ、SFファンを唸らせる展開となりました。ジェーンの最期を看取れなかった悔恨を拳に乗せ、執念でボーイを撃破するラストシーンは、単なるアクションの勝利を超えた、愛と誇りの物語として完結しています。
⑤主題歌は?
オープニングテーマは、前野曜子が歌う「コブラ」です。作曲・編曲を大野雄二が手掛け、都会的で洗練されたブラス・セクションと疾走感あふれるベースラインが、冒険の始まりを華やかに彩ります。前野のハスキーで力強い歌声は、コブラという男の孤独とダンディズムを完璧に表現しています。エンディングテーマは同じく前野曜子による「シークレット・デザイアー」。こちらは打って変わってしっとりとしたバラード調の楽曲であり、戦いの後の静寂や宇宙の広大さを感じさせます。これら大人の色気が漂う名曲群が、本作を単なる子供向けアニメではない格調高い作品へと押し上げています。
⑥まとめ
「激闘!コブラ対ボーイ」は、スペースコブラという物語のなかで最も象徴的なバトルの一つとして今なお語り継がれています。物理的に敵わない相手に対し、精神と知恵で勝利を掴み取るコブラの姿は、ヒーローの理想像を体現していました。野沢那智さんの軽妙ながらも重みのある演技と、小林清志さんの冷徹極まるボーイの声の対比は、これ以上のキャスティングは考えられないほどの完成度です。このエピソードで「刺青の三姉妹」にまつわる物語は一区切りとなりますが、コブラの旅はここからさらに壮大に広がっていきます。左腕にサイコガンを持つ男の伝説は、この激闘を経て不滅のものとなりました。

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