スペースコブラ第5話:謎!強敵スナイパーは?
寺沢武一先生の伝説的SFアクションをアニメ化した「スペースコブラ」のなかでも、手に汗握る緊迫感で語り継がれるのが第5話です。脱獄を果たしたコブラとジェーンの前に、海賊ギルドが放った冷酷な暗殺者が立ちはだかります。姿を見せぬ敵からの狙撃という絶体絶命の窮地において、コブラの野生の勘とサイコガンがどのように火を噴くのか。本エピソードは、ハードボイルドな世界観とSFミステリーの要素が見事に融合した、初期の傑作として高い人気を誇ります。放送当時の熱気そのままに、その魅力を徹底的に深掘りしていきましょう。

スペースコブラ第5話:謎!強敵スナイパーは?
①あらすじは?
・第5話
・謎!強敵スナイパーは?
・1982年11月4日放映
シド刑務所を脱獄したコブラとジェーンは、刺青の秘密を知る次なる姉妹を探すため、追跡を逃れて砂漠の惑星を突き進みます。しかし、そんな二人の動向をじっと見つめる影がありました。海賊ギルドが送り込んだ凄腕のスナイパー、スカルヘッドです。どこからともなく放たれる正確無比な狙撃に、コブラたちは遮蔽物のない荒野で孤立してしまいます。目に見えぬ強敵のプレッシャーにさらされながら、コブラはジェーンを守り抜き、見えない弾丸の主を突き止めることができるのか。一発の弾丸が運命を左右する、極限の心理戦と狙撃戦が幕を開けます。
②みどころは?
本エピソードの最大のみどころは、目に見えない敵との戦いが生み出す圧倒的な緊張感です。広大な砂漠という逃げ場のないシチュエーションで、いつどこから飛んでくるかわからない弾丸に晒される恐怖が、出崎統監督による独特のカット割りや止め絵(ハーモニー)の演出によって見事に表現されています。特に、風の音や静寂を活かした音響演出が、スナイパーの不気味さを一層際立たせています。また、窮地に立たされてもユーモアを忘れず、敵の裏をかくコブラのハードボイルドな機転も見逃せません。単なる力押しではない、プロフェッショナル同士の意地がぶつかり合う頭脳戦のプロセスは、視聴者を最後まで釘付けにします。
③ゲスト声優は?
| 役名 | 声優氏名 | ふりがな | 生年月日 | 備考、没日など |
| スカルヘッド | 若本規夫 | わかもとのりお | 1945年10月18日 | 当時は若本紀昭名義 |
| ジェーン | 中村晃子 | なかむらあきこ | 1948年1月3日 | |
| 兵士 | 屋良有作 | やらゆうさく | 1948年3月15日 | |
| ナレーション | 小林清志 | こばやしきよし | 1933年1月11日 | 2022年7月30日没 |
④エピソードの詳細は?
第5話は、コブラという男が持つ「戦士としての生存本能」が色濃く描かれた回です。敵のスナイパー・スカルヘッドは、冷酷かつ機械的な正確さでコブラを追い詰めますが、その正体や狙撃の手法を解き明かしていく過程は、さながら本格ミステリーのような趣があります。物語の中盤、コブラがわずかな光の反射や着弾の角度から敵の位置を割り出すシーンは、彼の卓越した戦闘経験を感じさせます。また、行動を共にするジェーンとの信頼関係も深まり、三姉妹の刺青を巡る壮大な宿命へと物語が大きく舵を切る重要なエピソードとなりました。後半のサイコガンによる反撃シーンは、溜め込まれた緊張が一気に解放されるカタルシスに満ち溢れています。
⑤主題歌は?
オープニングテーマは、前野曜子さんが歌う「コブラ」です。大野雄二氏が手掛けたブラスセクションの効いたゴージャスなジャズ・ロックは、これから始まる冒険への高揚感を煽ります。前野さんの力強くもどこか寂しさを漂わせる歌声は、孤独な海賊コブラの生き様に完璧にマッチしています。エンディングテーマは「シークレット・デザイアー」。こちらも前野曜子さんによる歌唱で、夕陽の沈む宇宙を背景に流れるメロウな旋律が、戦い終えた戦士たちの哀愁を包み込みます。この二曲の存在が、スペースコブラという作品に「大人のアニメーション」としての格調高い品格を与えていることは間違いありません。
⑥まとめ
「謎!強敵スナイパーは?」は、シリーズ全体の中でもアクションの質と物語の構成が非常に高く評価されている回です。スカルヘッドという強烈なライバルの登場によって、コブラの持つ強靭な精神力と、決して諦めない不屈の魂が鮮明に描き出されました。放送から40年以上が経過してもなお、この狙撃戦の緊張感が色褪せないのは、原作の持つ力と、当時のスタッフによる妥協なき演出が結晶しているからに他なりません。ジェーンを守りながら、見えない死神に立ち向かうコブラの姿は、ヒーローの原点ともいえる格好良さに満ちています。この第5話を経て、三姉妹を巡る物語はさらなる混迷と興奮の渦へと突入していくことになります。

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