名探偵コナン★第208話 迷宮への入口 巨大神像の怒り:2000年10月9日
「名探偵コナン」の第208話「迷宮の扉 巨大神像の怒り」は、2000年10月9日に放送されました。このエピソードでは、天部山ロープウェイの開通式に招待された毛利小五郎、コナン、蘭が、過去に村人を祟った巨大な天女像の地下トンネル工事現場で発生した殺人事件に巻き込まれる様子が描かれています。呪いの伝説と最新のトックリが交錯する中、コナンが驚くべき真実を解き明かします。
あらすじ
天部山のロープウェイ開通式に出席した毛利夫妻とコナンは、式典が村人に信仰される天女像の下を貫通するトンネルで行われることに気づきます。しかし、地元住民の反発がメディアを賑わせていました。式典の直後、堂本観光社の社長である堂本栄造がロープウェイ車内で刺殺された状態で発見されます。現場には古い呪いの伝説の痕跡と同時に、瞬間移動を彷彿とさせる「怪奇現象」の兆候が残されており、警察は混乱に陥ります。蘭と探偵団は恐怖を抱えながらも協力し、コナンは車両の構造や周りのモーター音から巧妙なアリバイトリックを解明していきます。
最大の見どころ
この話の最大の魅力は、被害者がまるでロープウェイ車内から天女像直下の小屋へと“瞬間移動”したかのように見せる殺人トリックです。犯人はトンネルの揺れやモーター音を利用し、現場検証で時間差の錯覚を引き起こします。コナンは缶ビールの凍結具合や車輪の回転数を調査し、実際には被害者が車外へ引きずり降ろされた上で移動したことを証明します。古い言い伝えの「像の怒り」を演出しつつも、科学で欺く構成はシリーズの中でも特に緻密です。
登場キャラクター分析
犯人は、事故で息子を失った元作業員の妹である吉野綾花です。父からの補償金を堂本家が葬り去ったことへの恨みから、堂本社長を狙いました。綾花は社長を慕うふりをしながら、誰にも疑われないように哀れな口実を用意します。毛利小五郎は名誉挽回を目指し大胆に現場を仮説化し、蘭と探偵団は現場検証を手伝い、緊張感を和らげる役割を果たします。目暮警部は小五郎への信頼を揺るがしながらも、コナンの推理を見守り、シリーズお馴染みの“眠りの小五郎”コンビが形成される過程が描かれます。
制作秘話と背景情報
本エピソードはシーズン5第39話(通算208話)として2000年10月9日に放送されたアニメオリジナルの1時間スペシャルです。脚本チームは静岡県の天部山伝説を研究し、巨大な天女像の呪いのストーリーを取り入れたとされています。背景美術ではトンネルの入口やロープウェイ駅舎の細部が忠実に再現されました。音響スタッフはモーター音や足音を何度も重ね録りし、時間差錯覚のトリックを視聴者に体感させる演出が施されました。放送当日は17.2%の高視聴率を記録し、DVD化後もファンに愛される人気エピソードとなっています。
まとめ
「迷宮の扉 巨大神像の怒り」は、古典的な呪いの伝説と現代的なトリックが見事に融合した名作です。ロープウェイの構造を巧みに利用したアリバイトリックや、被害者を瞬間移動させる演出、そして悲しい復讐の動機が見事に絡み合っています。未視聴の方はぜひご覧いただき、再視聴の方はその緻密な仕掛けに再度注目してみてください。
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