名探偵コナン★第266話 バレンタインの真実 (事件編)：2002年1月28日

あらすじ

バレンタインデーが迫る2002年1月28日、コナンたちは雪に覆われた吹渡山荘を訪れます。そこでは幻のニホンオオカミ取材のため、記者の二垣とその恋人である亜子、友人の実果、そして銃を持った中年のハンター酒見が集まりました。しかし、過去数年間に森で遭難して亡くなった人々の近くには必ずチョコレートが置かれており、山荘には“雪女の祟り”という噂が立っていました。吹雪の中、二垣が取材で森に出かけた後、連絡が取れなくなり、亜子と実果が捜索に出ます。真実を追い求めるコナンが直面するのは、甘くほろ苦い“チョコレート殺人”事件でした。

みどころ

本作で特に注目すべき点は、遭難した遺体に必ずチョコレートが添えられるという“バレンタインの真実”にまつわる不可解なトリックです。雪に閉ざされた山荘という限られた空間、吹雪によるタイムリミット、そして誰もが安心しがちなアイテムであるチョコレートを凶器や偽装に利用する巧妙さが際立っています。また、蘭や園子がチョコ作りに励むコメディタッチのシーンと、雪の中での捜索における緊張感のあるドラマ性が見事に対比されています。原作第33巻のエピソードをアニメの特性を生かして再現し、冬らしい美しい雪景色とサスペンスが融合した珠玉のエピソードとなっています。

ゲストの声優（生年月日）

– 湯浅千代子（ゆあさ ちよこ）／片岡富枝：1944年11月2日
– 酒見佑三（さけみ ゆうぞう）／麦人：1944年8月8日
– 板倉創（いたくら はじめ）／金尾哲夫：1950年9月29日
– 甘利亜子（あまり あこ）／久川綾：11月12日
– 粉川実果（こがわ みか）／佐々木優子：1961年11月19日
– 二垣佳貴（にがき よしたか）／檀臣幸：1963年8月6日

まとめ

冬の山荘を舞台に繰り広げられるチョコレートを巡る“甘くて切ない”トリックが展開される第266話です。バレンタインの風習をサスペンスへ巧みに取り入れた脚本や、市丸知佳の手による雪景色の演出、さらに久川綾が演じる真犯人・甘利亜子の心理描写が特に印象的です。チョコが象徴する“愛”と“憎しみ”の二面性、そして閉ざされた吹雪の夜の緊迫感は、シリーズの中でも特に優れた作品といえるでしょう。恋と殺意が交錯する“甘い罠”をぜひお楽しみください。